道具学会事務局
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坐る文化研究所へ
9:30。池袋駅に向かう。東武東上線で川越の畳屋さんへ。
その昔、小江戸と呼ばれた川港、川越市で四代目を継ぐ畳屋さん岡田本店。当主の岡田社長は畳の品質と技術を知り尽くした熟年の働きざかり。 和の文化は畳の上に花ひらく。お茶やお花にしても和の感性を研ぐには最上等の畳の上でなければと本職の使命を意気軒昂(けんこう)。 なのだが今どき「よい畳」の「よさ」を判ってくれる人は僅かで、ついつい一人相撲(ずもう)になりがち。 厚さ25ミリのスタイロフォームに木質繊維ボードの化学タタミ、安物の踏みごたえもなぁんもないパネルの上に坐って芸事じゃ身が入るわけばねえや。以下の悪口雑言(あっこうぞうごん)はショーバン先生の言。 ボードの上に薄縁(うすべり)かぶせて坐ってるんじゃお菰(こも)さん(今いうホームレスさん ─あ、差別用語だったらごめん。お家(うち)の不自由な人)と同じヤンカァ。お金持ちがそんな安モンに坐って喜んでちゃ、畳がスタル、いい畳が売れるわけが無(ね)ぇ(ショーバン雑言ここまで)。 岡田当首、畳に精通するこの生業(なりわい)をたいへん誇りに思っているが、売れなくちゃあ宝が持ち腐れる。今どきよりもっと畳に見識を持つ人が減っていたら四代目に後を継げとも言うに言われなくなる。 そこで良い畳の見識を広める事業を始めた。一階は事務所と工房なので、まずその2階に畳ショールームを開いて全国の藺草表を集めて見較べ、触り較べられるようにして、肌ざわりの実感で選んでもらえるように。 それから例のコジキボード(文責山口)と、本物の藁床畳を踏みくらべ、坐りくらべてもらう。本物の藁床(わらどこ)畳は高さ60cmに積みあげた藁を踏みつけては縫い踏みつけては縫って(地団駄を踏むとはこの畳床づくりをいう)5cmの厚さに「たたむ」。 さらに資料を集め、研究会を開くために「坐る文化研究所」をつくろう、と準備をはじめた。これを道具学会が知恵と人材の方面で支援している。 06年4月現在「坐る文化研究所」開設準備室は道具学会「道具を語る会」を連発してきた新埜好一さんが担当。今日はその第2回研究会。 その動きとは別にショーバン先生は、WEBマガジンに「世界一周「たたみ」の旅─床(ゆか)の文化誌」を連載している。 野辺公一さんが主導している「地域マスター工務店・住宅づくりのすみからすみまでマガジン「住宅考房」 ─住宅道具考」。いわば「床の文化」の見なおしが、今年は同時多発しているのである。 考えて見れば、世界人類はたいてい床の上で暮らしている(ベッドも床(ゆか)であり床(とこ)である)。床は人類の発明、伝承してきた重要文化財であり、世界遺産─いや、今も使っているんだから遺産はおかしい、世界財産だ。
by douguology_news
| 2006-04-08 16:03
| 坐る文化研究所へ
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